マネジメント(Management)とは【会社などの】経営、管理、マネジメント。エンカレッジメント(Encouragement)とは、激励、励まし、勇気づける、との意味だそうです。マネジメントは既に日本語にもなっているようで、管理者は、マネージャー(Manager)とも言われています。 今年からスタートした『介護医療業界のグローバル研修プログラム』ですが、特定技能ビザが来年から本格化するにあたり、外国人介護士を受け入れる多くの施設でこのプログラムが注目されるかと思います。そこで『異文化マネジメントの理解』について、自分自身でも【マネジメント】とは何かを考えてみました。
結論から先にお伝えすると、マネジメント技術を学ぶよりも、エンカレッジメント(励ましや勇気づけ)が上手な方が、結果的にチームもまとまり生産性が上がっていくと考えます。私は一つのことに集中して取り組むよりも、いくつかのことを同時に取り組んで進めていくことに特性があります。なので、現在もいくつかのプロジェクトを異なるチームを組んで進めています。そうやって仕事を複数行うことで脳が刺激を受け、新しいアイデアが生まれてきます。その『アイデアを出すこと』に価値があると考えています。しかし、私が管理されていた会社員時代は、新しいアイデアを出すことよりも、『オフィスに9時から5時までいて、言われたことをそつなく遂行すること』に価値がありました。ちなみに私の直属の上司は日本人、社長はフィリピン人でした。
そんな創造力に制限を受けていた時代であっても、会社が発展するための新しいアイデアを出し、企画を作っては日本人上司に相談をしました。今でも覚えていますが、そのすべての企画は【却下】です。なぜなら、前例がなく、将来起るかもしれない懸念事項を100%払拭できないからです。しかし、同じ企画をフィリピン人の社長に持っていくと、すべて【OK】、とりあえずやってみなよ、と言ってくれます。”日本人異業種交流会の開催〟〝大手日本企業との業務提携〟〝メディアを使ったネット集客〟などなど、上手くいかなかった企画もありますが、全体的には大成功だったと言えます、売り上げも2倍以上はあがりました。フィリピン人の社長が私の企画に対して【Yes】と言わないのパターンは、コストが掛かるときだけです。それ以外の企画はすべて【OK】でした。ニコニコしながらいつも、『OK, You can try it (やってみなよ)』と背中を押してくれることで、私はいつも勇気づけられました。
軸足を介護事業に戻したからは、誰に管理されることなく自由にアイデアを出しては企画をまとめていきました。出来上がった企画を、その企画に関連しそうな人たちに見せて感想を聞くのですが、ここで大きく二つに分かれます。企画のポジティブな点に注目する人と、ネガティブな点に注目する人です。面白いですね。
その結果どうなるかというと、ネガティブな点にばかりに注目する人には、私は相談しなくなるのです(笑)つまり、その人には情報が流れてこないことになります。企画とは、未来に向けてのものです。未来のことは誰にも分かりません。100%成功する企画というのは存在しないのです。ただ、過去からの知識や経験の蓄積で、未来を予想することは出来ます。ネガティブな予想が立った場合、それに対してどうしたらよいかの【代案】を提示することが、相談した相手に対して、誠意ある行為だと思います。
とは言いつつも、自分が相談される立場になった場合、ついついネガティブな点の指摘のみになってしまうこともあり、その都度深く反省しています。自分の発する【言葉】には常に注目して、気を付けなくてはいけませんね、日々修業です。
さて、未来が不確かで、且つ、変化の激しい今の時代、ますます過去からの知識や経験が役に立たなくなります。そんな時代にあって、マネジメントとは人の可能性を制限する【管理】ではなく、『OK, You can try it(やってみなよ )』と励まし、勇気づけをして、チームのやる気を鼓舞することなのではないでしょうか。そんな人に、人と情報が集まっていくのだと思います。
ちなみに私は、大学時代マッサージの仕事をしていたのですが、その時のあだ名の1つが『ヨイショ フクイ』でした。マッサージをしながらお客さんの自慢話をあからさまにおだてたり、同僚のマッサージ技術を大げさに褒めたりしていたため、言動が軽いという意味で、『ヨイショ フクイ』と言われました。この『ヨイショ』的言動が、フィリピンに来てからさらにパワーアップした感じがします。なぜなら、フィリピン人はみな陽気で楽観的だからです、『ヨイショ フィリピン人』です!!彼らにとってはどんなことでも『OK、OK』です!本当はOKでないことでも、『OK』です(笑)
そんなグローバルなマネジメント技術を、研修プログラムでお越しになる皆さまには、感じて、学んでもらいたいですね。2020年は介護業界の『開国』にあたる年になるかと思います。介護業界のグローバル化に貢献できるように、私も一生懸命頑張ります。来年もどうぞよろしくお願いいたします。